【革の基礎知識】素材から加工まで分かりやすく解説

【革の基礎知識】素材から加工まで分かりやすく解説
  • 革の種類や特徴がわからず購入をためらってしまう。
  • 何革かわらかないけど買ってみたら思っていたのと違った。
  • 本革を持ってるけど扱い方がわからない。

こんな経験している方多いのではないでしょうか。

革製品は専門用語が多く素材の種類や特徴を覚えるのが大変です。

実は素材や加工など革製品本来の良さを引き出す製法が数多くありすべては覚えられません。

革製品は素材や特徴、メンテナンス方法で質が大きく変わります。

なぜなら革は古くから生活の中で活用され、たくさんの技術により進化してきたからです。

この記事では革製品を17年以上愛用している私が、

  • 革の素材や特徴
  • 皮から革へ変わる方法「なめし」
  • 革の加工・仕上げ方法

を、わかりやすく解説します。

この記事を読むと革製品を買うときに必要な知識が簡単に手に入り買い物の失敗も減らせます。

結論は革製品を購入するとき押さえるべきポイント素材、鞣し、加工、仕上げの4点です。

革の素材と特徴

鹿革の画像

革製品に使用される代表的な素材をカテゴリ別一覧にしました。

一般革エキゾチックレザー
仔牛と親牛
野生のトカゲ
トカゲ
躍動する馬
口を開けたワニ
ワニ
複数の豚
ダチョウ
ダチョウ
2頭の鹿
鹿
ヘビ
ヘビ
白と茶色の山羊
山羊
サメ
サメ
羊の群れ
その他
エイ
ゾウ
バッファロー
カンガルーなど

多くの動物の皮が製品に使用されています。

一般革とエキゾチックレザーの2つに大きく分類されます。

それぞれ素材の特徴について解説します。

一般革とエキゾチックレザーの特徴

一般革とエキゾチックレザーの特徴について解説します。

一般革の特徴
流通量が多いため仕上げや加工など多くの製法によりバリエーションが多い。
繊細な革から丈夫な革まで用途に応じて使い分けされる。
エキゾチックレザーの特徴
希少な革のため、生産量が少なく高額なものが多い。

素材によって変わる呼び名

素材の中には同じ素材でも呼び名が変わる素材があります。

その代表例が牛革です。

生産量が多く世界で最も多く流通している牛の皮は、生育状態や性別・重さで呼び名が変わります。

流通量の多さから牛の皮を使用した革製品は多く、呼び名を知らないと判別できません。

革小物によく使われる革とその理由

革小物は使用される革の量が少ないため、ほぼすべての革で生産されています。

希少なエキゾチックレザーであっても革小物であれば生産されていることが多いです。

縁起を担いで蛇革を身に着けたりできるのも革小物です。

繊維製品とは違う天然由来の特徴

日本では1000年以上前から革製品が使用されてきました。

天然の革は継続してお手入れすることで長い期間使い続けられます。

これが最大の特徴です。

また、天然の革は同じ加工がされていても個体差が必ず生まれます。

血筋やキズ、シワなど同じものはふたつ存在しません。

これも大きな特徴です。

皮から革へ変わる方法

なめしイメージ

ではどうやって動物の皮が革製品の革になるのか、皮から革へ変わる方法ついて解説します。

皮革とは?

皮革とは革製品の中でよく表現される用語で、動物の皮膚である皮、革製品に使われる革両方を表す言葉です。

では皮と革は何が違うのか?

違いを解説します。

皮とは?
動物の皮膚を剥いだ生のままの状態を皮と呼びます。
革とは?
革とは原皮を脱毛しなめすことで得られる製品状態のものを指します。
なめしていても「毛皮」のように皮を使う場合もあります。

どちらも読みは同じかわですが、漢字によって意味が変わります。

ちなみに英語にすると皮=skin hide、革=leatherとなり、まったく別物として表現されます。

古代エジプトから伝わる技法

人類は動物の皮を古代から生活用品として利用してきました。

紀元前エジプトの壁画には革を加工している描画があり、日本でも1000年以上前からなめしが盛んにおこなわれていたとされています。

革になる方法「鞣(なめ)し」

鞣しとは?
「革を柔らかくする」と書いて”鞣し”、鞣しの作業は20工程以上あり、鞣すことで動物の皮がもっている本来の柔軟性を保ちながら腐敗や乾燥を防ぐことができます。
皮を鞣すことで放置しても腐りにくく、乾燥しても軽く揉めば柔らかく曲げやすい革に変化させます。

鞣しによる主な効果は以下の3つです。

  • 耐熱性
  • 腐敗防止
  • 革本来の柔軟性の維持

現代で主に使われている鞣し手法を紹介します。

主な鞣しの種類3つを紹介します。

・植物タンニン鞣し
・クロム鞣し
・複合鞣し

詳しく解説します。

植物タンニン鞣し
植物由来成分であるタンニンを使用した伝統的な技法、完成までに数カ月かかります。
特徴
・クロム鞣しに比べて伸びや伸縮性がすくない。
・成形性が良くタンニンの特性から発色や日焼けなど経年変化が楽しめる。
・ヌメ革、クラフト革、床革などに多く使用。
クロム鞣し
現在最も多く採用されている技法、現代の革製品の約80%はクロム鞣しです。
特徴
・化学物質、クロムを使用することで短時間で大量に生産することができる。
・大量に生産でき経済性に優れ、柔軟性・保存性・耐熱性・染色性がよい。
・衣料品などに広く使用。
複合鞣し
クロムとタンニンを併用しお互いの長所を取り入れた技法です。

その他多くの鞣材が開発され日々技術は進化しています。

すべての革は、鞣し工程を経て革になります。

革の表情を変える加工、仕上げ

起毛革

鞣し工程で加工、仕上げをおこなうことで風合い、模様などをほどこし防水性や耐久性をあたえます。

加工・仕上げの特徴

型押しやスエードがわかりやすく、革に型押しを行い模様をつけたりバフ加工で毛羽立ちさせることで見た目や表情が変化することが最大の特徴です。

加工された革は、靴や鞄、小物など用途に応じて使い分けます。

特徴を生かす手触りや風合いなど革の最大の特徴と生かしたり、水に強くしたりと加工によりさまざまな特徴が得られます。

加工と仕上げの種類

主な加工を一覧にしました。

  • 銀付革
  • 型押し
  • ガラス張り革
  • スエード
  • ベロア
  • バックスキン
  • ヌバック
  • オイルレザー
  • シュリンク
  • 床革

次に、主な仕上げを3つのタイプに分け一覧にしました。

塗膜透明度別

  • 素上げ
  • アニリン仕上げ
  • 顔料仕上げ

仕上げ剤別

  • カゼイン仕上げ
  • エナメル仕上げ

機械処理別

  • グレージング仕上げ
  • プレート仕上げ

代表的な加工・仕上げをピックアップしています。

革製品を購入する際、革の加工、仕上げが説明されることが多いです。

すべてを覚えておく必要はありません。

ざっくりでいいので特徴を覚えておくと便利です。

まとめ:素材、鞣し、加工、仕上げの4点が重要

素材や特徴、鞣し方法、加工・仕上げについて解説してきました。

この記事の内容を改めてまとめます。

この記事のまとめ

・素材は、何の革か?

・鞣し手法は、タンニン(植物由来)か?クロム(人工)か?

・加工方法は、銀面があるか?起毛しているか?

・仕上げ種類は、顔料か?染料か?

この4点が革の最大の特徴です。

革製品を選ぶ際、素材・鞣し・加工・仕上げの4点を基準に選ぶのをおすすめします。

素材、特徴に合わせた解説を含めキャッシュレス時代にあった革小物を多数紹介していきます。

是非自分にあった革小物を見つけてください。