- 何の動物の皮が製品になるの?
- 革の名前を聞いても何の革かわからない。
- ほしい革小物があるけど何の革かわからない。
こんな経験している方多いのではないでしょうか。
多くの動物の皮が製品として流通しています。
実は素材によって多くの呼び名がありそれぞれ特徴があります。
特徴を知ることで、製品に合った革選びができるようになります。
この記事では革製品を17年愛用している私が、
- 革製品に使われている素材
- 呼び名
- 特徴
を、わかりやすく解説します。
この記事を読むと名前を聞いただけでなんの革かイメージできるようになり、その革の特徴もわかります。
結論は特徴を知ることで素材に合った革製品を選ぶことです。
革の素材と特徴
素材の多くは家畜(主に食肉)の副産物として利用されてきました。
北米は牛肉の消費が盛んなため、牛革の一大産地です。
また、欧州は仔牛の消費が盛んであるなど地域によって供給に特徴があります。
日本は牛、馬、山羊など多くの皮を輸入しており豚のみが国内で自給されています。
スキンとハイドの違いについて
カーフスキン・シープスキン・カウハイド・ホースハイドなど、”スキン”と呼ぶ革と”ハイド”と呼ぶ革、2通りあります。
- スキン(Skin)
- 仔牛や羊などの薄くて小さい、軽い革。
- ハイド(Hide)
- 成牛や馬など厚くて大きな、重い革。
この2つを区別するのは大きさ(重量)です。
25ポンド(約11.5㎏)以上をハイド、それ以下をスキンと呼びます。
革の素材と特徴一覧
素材となる動物とその呼び名、特徴を一覧にしました。
特に食肉加工の副産物として安定して供給される牛革は、多くの製品に使用されています。
- 牛革の特徴
- 一枚の皮が大きくて厚く、強度、耐久性がある。
その強度と耐久性から経年変化を楽しめる革です。
牛革は生育状態・性別によって呼び名、特徴が変わるため牛革のみで一覧にします。
牛革
素材:牛 | 呼び名 | 特徴 | 大きさ | 柔らかさ | 耐久性 | 種類 |
カーフ | 生後6ヶ月以内の仔牛の皮 | 小さい | 柔らかい | 弱い | スキン | |
キップ | 生後6ヶ月~2年くらいの牛 | 小さい | 柔らかい | 弱い | スキン | |
カウ | 生後2年以上の出産済みメス成牛 | 大きい | ややかたい | 標準 | ハイド | |
ステア | 生後2年以上の去勢済みオスの成牛 | 大きい | ややかたい | 強い | ハイド | |
ブル | 生後3年以上の繁殖用のオス成牛。 | 大きい | かたい | 強い | ハイド |
一般革
素材 | 呼び名 | 特徴 |
馬 | ホースハイド | 牛革より薄く強度は落ちるが柔らかくしなやか |
馬 | コードバン | 別名「革のダイヤモンド」臀部の皮で少量しか採取できず手間もかかるため希少。繊維質が緻密なため硬く強度があり牛革よりも丈夫。独特のツヤと光沢が特徴。 |
豚 | ピッグスキン | 唯一国内供給でき海外にも輸出される皮。3つずつ並んだ毛穴が通気性が良くし摩耗に強い。スエード状に仕上げたピッグスキン・スエードは人気が高い。 |
鹿 | ディアスキン | 耐水性に優れ、柔らかいのが特徴。タンニン鞣しをしたものをセーム革と呼び水分を吸収しやすいながらも硬くなりません。 |
羊 | ラムスキン | 生後1年以内の仔羊の皮。手触りがよく高級素材として扱われる。 |
羊 | シープスキン | 柔らかく断熱性に優れているため、防寒具などに使用される。 |
山羊 | キッドスキン | 仔山羊の皮。薄くて軽く柔らかいため高級素材として使用される。 |
山羊 | ゴートスキン | 独特のシボがあり、薄くて強度に優れ耐久性がある。 |
エキゾチックレザー
素材 | 呼び名 | 特徴 |
トカゲ | リザードスキン | 強度がありキズや擦れに強い。独特なリング模様のあるリングマークリザードは革質も丈夫で最上級品として扱われる。 |
ワニ | クロコダイル アリゲーター カイマン | 独特なうろこが特徴で強度がある。腹部と背中でうろこ模様が異なり、肚(はら)ワニ、背ワニと呼ばれる。 |
ダチョウ | オーストリッチ | 羽を抜いたあとの突起(クイルマーク)が特徴。丈夫で柔軟性があり高級素材として使用される。 |
ヘビ | パイソン | 主流は美しい斑紋のあるパイソン(ニシキヘビ)、その他スネーク類(海ヘビ、コブラなど)もうろこ模様に応じて活用されている。皮質は柔らかく丈夫。 |
エイ | スティングレイ | 小さな粒状のうろこがビーズのように輝くのが特徴。 |
サメ | シャークスキン | サメ肌のゆえんであり、表皮は硬い。なめし処理をすることで柔らかくなる。 |
その他・・・ゾウ、水牛、カンガルー、アザラシ、オットセイ、イノシシ、カバ
国産牛革「地生」
国産牛原皮のことを地生と呼びます。
飼育環境がいい和牛の皮は損傷が少なく上質な皮とされています。
一般革とエキゾチックレザー
- 一般革とは?
- 家畜(主に食肉)から供給される皮革を一般皮と呼びます。
特に食肉から生産される牛皮は供給量も多く、月齢・性別で種類が分類され特徴も異なります。
- エキゾチックレザーとは?
- 家畜以外の皮をエキゾチックレザーと呼びます。
呼び名はエキゾチックアニマルを語源とし、は虫類や鳥類など希少動物の皮を指します。
エキゾチックレザーとワシントン条約
エキゾチックレザーは希少性が高く高級品として扱われます。
その理由はワシントン条約です。
ワシントン条約とは?
ワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約))は、自然のかけがえのない一部をなす野生動植物の一定の種が過度に国際取引に利用されることのないようこれらの種を保護することを目的とした条約です。
経済産業省HPより引用
海外では頭文字をとり「CITES(サイテス)」と呼ばれ商取引の禁止や許可書が必要など利用が制限されています。
エキゾチックレザーの利用
近年ではファッション目的で希少動物を狩猟することを問題視し、有名ブランドがエキゾチックレザーの使用廃止を宣言するなど話題となりました。
日本ではワシントン条約に基づき正しく輸入された皮革を使用している証としてJRAタッグがあります。
JRAタッグとは全日本爬虫類皮革産業協同組合が日本でつくられた製品である証として推奨しています。
一般革の特徴
一般革の特徴は滑らかな見た目と肌触りです。
供給量も安定しているため家具からカバンや靴など多くの製品に利用されています。
エキゾチックレザーの特徴
エキゾチックレザーはその独特な模様と手触りが特徴です。
希少性が高く生産量も少ないため小物などにしか利用できません。
実は丈夫なエキゾチックレザー
希少なエキゾチックレザーですが、丈夫で柔らかいものが多いです。
きちんとお手入れして大事に使用すれば末永く使い続けられます。
革小物によく使われる革はある?
- 革小物に多く使用される革は?
- 革製品は供給量や革の大きさなど特性に応じて製品に使用されます。
革小物は使用する革の面積や量も少ないため、多くの種類が利用されています。
- 代表的な革小物とは?
- その名の通り革を使用した身の回りの小物製品を革小物と呼びます。当サイトではコンパクト財布を中心にカードケースやコインケース、マネークリップなどを紹介しています。
希少性と流通量
流通量の少ないコードバンや希少なエキゾチックレザーも革小物では多くの製品に使用されています。
革小物は小ささやコンパクトさから身につけやすくいろいろな革を楽しむことができます。
一般革の場合
一般革では牛革、コードバンが多く製品化されています。
牛革は加工方法の多彩さから多くの名前があり、ブライドルレザーやヌメ革などよく聞く革の名前は牛革が多いです。
エキゾチックレザーの場合
エキゾチックレザーの代表格はクロコダイル(ワニ革)です。
その他、パイソン(ヘビ革)やリザードなど爬虫類革が目立ちます。
まとめ:素材と特徴を知ろう
記事を改めてまとめます。
今回は、革の呼び名と特徴を紹介しました。
この記事のまとめ
・素材となる動物はたくさんあり革の種類も多様です。
・なんの革か?どんな特徴があるか?がわかると革小物選びの幅もグッと広がります。
・素材、特徴にあった革小物を選びましょう。
素材を知り特徴をつかむことで革製品をもっと楽しむことができます。
この記事は、
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